呼出し

呼出しの装東は決まっていますか?

相撲協会の規定では定められていませんが、慣行として足元を絞ったたっつけ袴となっています。膝から下を脚半のようにぴつたりと仕立てたものです。扇子も呼出しのシンボルの一つです。土俵の控え力士を呼び上げるとき、日の下あたりで扇子をさっと開きます。これは呼出しの看板芸です。

呼出しはどんなことをしますか?

呼出しは、基本的には、土俵の構築、太鼓、呼出し、その他土俵に関する任務に従事します。呼出しの3大仕事と言えば、呼び上げ、土俵作り、大鼓叩きです。呼出しは、実に、多種多様な仕事をしていますので、そのいくつかを列挙しておきます。一人の呼出しがすべてのことをやっているわけではありませんが、手分けしているとは言え、多くの仕事をやっています。相撲の「裏方」と言われるゆえんです。

1. 力士を呼び上げます。

呼出しが一番目立つ仕事です。土俵上で扇子を開き、東西の力士を呼び上げます。「ひ~が~し~、わ~か~の~は~な~、わ~か~の~は~な~、に~し~、む~そう~や~ま~、む~そう~や~ま~」というように、独特な節回しで呼び上げます。東西力士を呼び上げる順序は決まっています。初日から数えて奇数日は東方より、偶数日は西方より呼び上げます。1日興行の地方巡業では必ず東方を先に呼び上げます。

力士を呼び上げるとき、「一声」と「二声」があります。

2. 太鼓を叩きます。

太鼓には「触れ太鼓」「櫓太鼓」「寄せ太鼓」「はね太鼓」など、いくつか種類があります。どの大鼓であれ、それを叩くのは呼出しです。土俵祭の後で、2組の触れ太鼓が土俵を3周し、街へ繰り出しますが、その大鼓を打つのも呼出しです。

3. 土俵を作ります。

本場所の土俵、各部屋の稽古土俵、巡業での土俵、海外公演での土俵というように、土俵であればすべて、呼出しが作ります。巡業中はテント張りやその後片づけなどもします。

4. 土俵の手入れをします。

相撲を取る前にも相撲を取った後にも土俵をほうきで掃き清めます。土俵のごみを取り除くだけでなく、蛇の目の砂もならします。土俵の仕切り線も毎日、相撲の取組の後でペンキを塗り、手入れをしています。

5. カ水,力紙,塩などを管理します。

力士が使う力水、力紙、塩、タオルなども管理します。どのくらい残っているかに絶えず気を配り、少なくなればネ南充します。力士が土俵下に落ちてきたら、水桶や塩入れなどを持って逃げることもあります。

6. カ士に水をつけます。

負けた力士の代わりに次の力士に水をつけることもあります。控え力士が2人負け残った場合、普通は土俵上に上がる力士の付け人が水をつけます。付け人なら誰でもよいというわけでなく、当日の取組で勝った力士だけです。しかし、何かの手違いで、その付け人が水を付けるのに間に合わないときがあります。そのような場合、呼出しが水をつけます。また、地方巡業などでは付け人の制限があるため、呼出しが水をつけることが多くなります。

7. カ士の制限時間を知らせます。

審判委員の一人が時計係ですが、その合図を受け、呼出しが力士に制限時間になったことを知らせます。力士が塩を取りに来たときに「時間です」とはっきり伝えます。普通は、立ち上がり、力士にタオルを渡しながら伝えています。この時間制限は呼出しだけからでなく、行司からも力士にはっきり知らせることになっています。

8. 析を打ちます。

土俵の進行や合図に析を打つが、それを打つのは呼出しです。横綱土俵入りのとき、析を打っているのも呼出しです。どこでどのようなリズムで析を打つか、呼出しは訓練しています。

9. 懸賞の垂れ幕を持って土俵を一周します。

取組に懸賞をかけたスポンサーの名前を書いた垂れ幕を持って土俵を一周します。これは観客に懸賞がかかっていることを知らせます。この垂れ幕は「職」とか「懸賞幕」とも言います。

10. 懸賞金を行司に手渡します。

懸賞金が掛かっている取組では、行司はその懸賞金を軍配に載せて勝ち力士に渡します。勝負が決まると、その懸賞金を行司に素早く手渡すのも呼出しです。

11. 土俵で座布団を交換します。

幕内力士は土俵下の控えで自分専用の座布団に座ることができますが、それを付け人から受け取り、前の力士の座布団と交換します。

12. 土俵下の審判委員の世話をします。

審判委員が交替するときや物言いがついたとき、審判委員の世話をします。

13. 負傷した力士に手を貸します。

土俵上でけがした力士が出た場合、その力士の手当てをします。力士は鼻血を出すことがありますが、呼出しがその手当てをします。力士がけがをして土俵から下りにくそうになったとき、手助けするのも原則として呼出しの務めです。

14. 行司の手伝いをします。

立行司の傍らに中腰で座り、行司が呼び上げる「顔触れ言上」を受け取ります。立行司は立って顔触れ言上を観客に披露するが、呼出しは中腰で待つています。

15. 本場所中は役員室の役員の身の回りの世話をします。

16. 相撲部屋の雑用をします。

呼出しは、所属する相撲部屋の雑務をこなします。以前は巡業で親方の食事を作ることもありましたが、現在では巡業の仕組みが変わっていますので、食事を作ることはないそうです。

呼出しに資格がありますか?

あります。行司や床山とまったく同じです。義務教育を修了した満19才までの男子で、適格と認められた者です。健康でさえあれば、これ以外に特別な資格はないと言つてよいでしょう。

呼出しになるには,どのように申し込みますか?

まず、所属する相撲部屋の親方に相談します。親方が入門を認めたら、親方が呼出し会を通し相撲協会へ申し込みます。定員が定まっていますので、空きがなければ待たなければなりません。定員は45名です。呼出し会は呼出しの組織です。

呼出しには階級がありますか?

力士や行司と同じように、次のような階級があります。この階級に変えたのは、平成5年(1994)1月です。呼出しの階級には、行司の場合と違い、「~格」という名称は用いません。十両呼出し以上には定員がありますが、幕下呼出し以下にはありません。

  定員
      1立呼出し 1名
      2副立呼出し 1名
      3. 三役呼出し 3名
      4幕内呼出し 7名以内
      5十両呼出し 8名以内
      6幕下呼出し 定員なし
      7三段目呼出し 定員なし
      8序二段呼出し 定員なし
      9序ノロ呼出し 定員なし

 

呼出しは階級によって力士を呼び上げる順番が決まっていますか?

基本的には決まっています。立呼出しは結びの1番だけ、十両から副立呼出しまでは、原則として、 1人で2番ずつです。1つの級に何名呼出しがいるかによつて、呼び上げる順番や数に変動が生じます。

触れ太鼓とは何ですか?

初日の前日、土俵祭の後で、街に出て初日の取組を太鼓を叩きながら触れ歩きます。口上は決まっていて、次の通りです。

「相撲は明日が初日じゃぞえ~。(中入り後の取組を呼び上げ、具体的に力士名で)○○山には△△川じゃぞえ~。ご油断では(席が)詰りますぞえ~。」

ただ単に通りを触れ歩くのではなく、新聞社やテレビといった報道機関、各相撲部屋、ひいきの相撲関係者などを訪問します。

最近は、大鼓はアルバイトの人がかつぎ、呼出しが太鼓を叩くケースが増えているそうです。相撲部屋も両国から遠く離れていく傾向にあるので、触れ太鼓が行けない相撲部屋も増えつつあります。

櫓太鼓とは何ですか?

相撲興行を知らせるため、櫓の上で打つ大鼓です。櫓太鼓には最近まで次の4種類がありました。それぞれ、叩き方が異なります。上手に叩けるようになるには、 5、6年はかかるそうです。

  1. 寄せ太鼓:早朝に打つ太鼓。
  2. 一番太鼓:取的が場所入りするころ打つ太鼓。
  3. 二番太鼓:関取が場所入りするころ打つ太鼓。
  4. はね太鼓:打出しと同時に打つ太鼓。

現在は「寄せ太鼓」と「はね太鼓」の2種類だけを打ちます。「はね太鼓」は明日もお越し下さいという意味がありますので、千秋楽や一日興行では打ちません。

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