行事の仕事

行司には定員がありますか?

あります。行司の定員は45名以内となっています。十両以上の行司数を22名以内と規定してありますが、立行司を除いてそれぞれの格の行司を何名にするかは特に規定されていません。幕下格以下の行司の定員とその中の階級の定員も決まっていません。相撲部屋が多くなり、それにつれて行司のいない部屋も多くなってきたことから、平成5年(1993)に行司の補助員を臨時に5人増やしました。この補助員は「定員」にはふくまれませんので、定員は45名以内のままです。

平成9年(1997)初場所の行司数は、次のようになっていました。

1.立行司
  a.木村庄之助(1名)
  b.式守伊之助(1名)
2.三役格行司(3名)
3.幕内格行司(9名)
4.両格行司(7名)
5.幕下格行司(7名)
6.三段目格行司(7名)
7.序二段格行司(6名)
8.序ノロ格行司(4名)

なお、十両格以上の行司は「有資格者」と呼ばれ、幕下格以下の行司とは待遇面で違います。たとえば、付け人がつき、巡業では個室が割り当てられます。

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行司になるには資格がありますか?

あります。義務教育を終了した満19才までの男子で、適格と認められる者です。行司になることが協会で認められても、3年間は見習いとしての養成期間です。養成期間であっても、行司の階級川頁位により番付編成はされます。従って、行司として採用された時期が行司の階級に影響します。

行司は勝負の判定だけをすればよいですか?

いいえ。土俵上の勝負は行司の仕事の1つにしかすぎません。それ以外に実に多くの仕事をこなさなければなりません。その主なものを次に列挙します。

1. 土俵祭の司祭を務めます。

これは場所前の前日に土俵の安泰を祈って執り行いますが祭司は3名です。1名は祭主となり、2名は祭司として祭主の手助けをします。立行司と三役格行司が祭主を務められますが、本場所の祭主は、木村庄之助と式守伊之助が交互に務めています。 行司は本場所の土俵開きだけでなく、各相撲部屋の土俵開きの祭主も務めます。

2. 土俵入りの誘導役を務めます。

十両土俵入り、幕内土俵入り、横綱土俵入りの誘導役を務めます。

3. 土俵入りの後で明日に行われる取組を紹介します。

これは「顔触れ言上(かおぶれごんじょう)」といって、横綱の土俵入り後、中入り後の取組が始まる前に、行司が明日の取組を土俵上で読み上げます。1つの取組を読み上げながら、手に
もって観客に見せます。そのあと、顔触れは隣で中腰で控えている呼出しに渡されます。この顔触れ言上は行司が相撲字で書きます。

4. 番付を書きます。

力士の番付を独特の相撲字で番付に書きます。この筆太の相撲字は根岸流と呼ばれ、楷書で隙間がないほどびっしり書きます。番付に隙間がないほどびっしり書くのは、お客さんがぎっしり入るようにという願いが込められているそうです。番付は行司の中で相撲字のうまい人が約10日かけて書き上げます。番付を書くことは、行司仲間では名誉なことです。

5. 番付編成や取組編成の進行補助役を務めます。

審判部の指示に基づいて番付原稿の作成をしたり、取組み編成の下準備をしたりします。番付の取組を「割り」と言いますが、その書記役は行司です。審判部が取組を決め、行司はその書記役を務めます。

6. 決まり手を場内アナウンスします。

取組の決まり手を場内放送するのは行司です。また、力士や懸賞の紹介も場内アナウンスします。行司が交替で担当します。

7. 勝負結果の記録をします。

行司は取組の決まり手と勝負の結果を記録します。勝負結果を記入するのは「巻」という巻き物です。

8. 地方巡業の渉外役を務めます。

巡業では先発する親方の補佐役として列車や宿の手配などを担当します。また、旅館やホテルの部屋割りを相撲字で書きます。経理関係の記帳なども行司が書きます。

9. 所属する部屋の事務を担当します。

行司は、実際は、相撲部屋に所属していますので、その部屋の事務的な仕事も処理します。たとえば、番付発送や冠婚葬祭の宛名書き、後援会への連絡、部屋の人別帳書きなどです。人別帳とは力士・行司・床山・若者頭・世話人等の履歴のようなものです。たとえば、新十両や横綱が誕生すると、その力士の過去の星取表なども作ります。

立行司の木村庄之助と式守伊之助とはどっちが上位ですか?

同じ立行司ですが、木村庄之助が上位です。木村庄之助が空位になれば、式守伊之助がその位置に昇格します。木村庄之助と式守伊之助の違いは装束の菊とじと房の色だけでなく、判定する取組の数にも現れます。木村庄之助は結びの1番しか判定しませんが、式守伊之助は2番判定します。

木村家と式守家では軍配の握りが違いますか?

原則として、違います。木村家と式守家では、力士を呼び上げるときの軍配の握り方が違います。木村家は軍配を握っている手の部分が下になりますが、式守家はそれが上になります。現在では、これに捕われない行司もいるようですが、土俵を見るかぎり、木村家と式守家はそれぞれの型を維持するように努めています。

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