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本場所の一日

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初日はどんなスケジュールで行われますか?

相撲は15日間行われますが、その15日間、毎日同じというわけではありません。前相撲が行われる日によっても変わるし、中日(8日日)や13日目あたりでも変わるし、千秋楽でも変わります。取組開始の時間も日によって少し異なったりします。3月場所(すなわち大阪場所あるいは春場所)では前相撲が2日目から始まりますが、その他の場所では3日目から始まります。いずれにしても、前相撲の終了後に序ノ回の取組は開始されます。

平成9年(1997)1月場所(初場所)のスケジユールは、大体、次のようになっています。取組表には当日の取組開始、十枚目土俵入り、中入りの時間は記されていますが、幕下以下の取組の開始時間は記されていません。取組の進行によって時間には多少のずれが生じます。

午前8:00  寄せ太鼓
寄せ太鼓を打つ時間は30分です。櫓の上で太鼓を叩くのは、入門後2、 3年の若い呼出しだそうです。

午前8:30  取組開始

  • 序ノロ取組
  • 序二段取組
  • 三段目取組
  • 幕下取組

午後2:40  十両土俵入り
幕下上位5番前に行われます。すなわち、十両土俵入りの後で、この幕下上位5番の取組は行われます。

  • 幕下上位5番の取組
  • 十両取組開始
  • 協会御挨拶(十両取組の結び3番前に行われます。すなわち、協会御挨拶の後に、十両残り3番の取組は行われます。)
  • 十両取組(残り3番の取組)

午後3:50  中入

  • 幕内土俵入り
  • 横綱土俵入り(横綱土俵入りの後で、賜盃返還式、優勝旗返還式、優勝額除幕式が行われます。それに続いて、いくつかの表彰式も行われます。)
  • 顔触れ言上(これは時間と進行状況によって省略されることもあります。)
  • 幕内取組

午後5:55  弓取式

午後6:00  打出し

※優勝額贈呈式は東京場所の前日に行われます。初日は優勝額の除幕式です。この除幕式は東京場所だけで行われますが、前場所の東京場所とその前の地方場所の優勝者の除幕式となります。

※この場所の4日目には前相撲が8:30に開始されていますが、十両土俵入りは2:50、中入りは4:00となっています。12日目の取組開始は8:40ですが、十両土俵入りと中入りの開始時間は4日目と同じです。これからも分かりますように、取組開始には日によって多少のずれがあります。

弓取式とは何ですか?

弓取式とは、弓取り専門の幕下力士が勝ち力士に代わって行司から弓を受け、一種の舞いを見せる儀式です。勝ち力士の喜びを表しています。結びの一番の終了後、幕下以下の力士によって行われます。

弓取式は誰が行いますか?

原則として、現役横綱のいる部屋の幕下力士が務めることになっています。誰が行うかは、基本的には、親方が決めますが、横綱や若者頭等と相談することもあるようです。弓取式は幕下力士しかできないというわけではありません。幕下の頃、弓取りをやっていて、十両に昇進した後もそれを続けたという例もあります。また、横綱のいない部屋の幕下力士が弓取式を務めることもあります。その場合は、普通、一門の幕下力士が務めます。

打出しとは何ですか?

「打出し」とは、当日に組まれた全取組が終了することを言います。取組終了と同時に「はね太鼓」が打ち出されることから、そう呼ばれています。国技館を出るとはね太鼓が叩かれています。人波に押されながらそれを聞いていると、またもう一度相撲を観戦したくなります。

協会御挨拶とは何ですか?

初日と千秋楽に十両の結び3番前に理事長と三役以上の力士全員(すなわち、横綱、大関、関脇、小結)が土俵に上がり、理事長より「協会御挨拶」を行います。理事長は羽織り袴ですが、力士は取り廻し(締め込み)姿です。協会御挨拶は大正15年(1926)1月場所に始まりました。土俵に上がるのは横綱・大関→横綱と三役力士→横綱。大関という変遷がありましたが、平成3年(1991)9月場所に横綱と三役力士全員になりました。

優勝額とは何ですか?

掲額の贈呈式は初日の前日、土俵祭終了後に行われます。除幕式は2場所前(東京本場所)と前の場所(地方本場所)の優勝力士に対し、東京本場所の初日の中入りで行われます。現在の両国国技館に掲げてある優勝額は32枚です。掲げてある写真は、白黒写真を油絵の具で着色したものだそうです。32枚を越えると、古い順に外します。

優勝額は明治42年(1909)に5月場所に寄贈されました。一時中断されましたが、昭和26年(1951)1月場所に復活しました。優勝額は毎日新聞の寄贈です。

役相撲とは何ですか?

「役相撲」とは、千秋楽の結び前の3番の取組です。それぞれの勝者には弓、弦、矢が順に与えられます。

三役揃い踏みとは何ですか?

千秋楽の取組のうち、最後の3番を「是より三役」と呼びます。登場する力士は平幕のこともあります。上位力士と対戦する力士です。その3番を取る前に、東西それぞれ3人の力士が土俵に上がり、3人揃って四股を踏む儀式が「三役揃い踏み」です。

儀式としては柏手を打ち、右足2回、左足1回の四股を踏みます。三役力士の並び方は東方と西方では違います。東方力十の場合は、前方右に小結に当たる力士、前方左に関脇に当たる力士、後方に大関に当たる力士という△の形です。他方、西方力士の場合は、前方に小結に当たる力士、後方右に関脇に当たる力士、後方左に大関に当たる力士という▽の形です。

三役とは、 もちろん、「大関、関脇、小結」のことですが、千秋楽の「是より三役」の取組は番付の「三役」とは異なります。結びの3番のことで、それには「横綱」も含まれています。

取組編成によっては、平幕の力士が「三役揃い踏み」で登場することもあります。その平幕が勝てば、平幕にもかかわらず、「~に叶う」力士として「矢」「弓」「弦」のいずれかを与えられます。どれになるかは、取組の順序によって決まっています。

三役揃い踏み後の取組では,勝ち力士にイ可が与えられますか?

「是より三役」の3番に勝った力士には、弓・弦・矢に関するものが与えられます。

  1. 最初に勝った力士には「小結に叶う」として矢が与えられます。
  2. その次に勝った力士には「関脇に叶う」として弓の弦が与えられます。
  3. 結びの一番に勝った力士には「大関に叶う」として弓が与えられます。

行司は勝ち力士に名乗りを上げるとき、「役相撲に叶う、○○山」と呼び上げます。力士は懸賞金と同じような形でそれを受け取ります。

同点決勝戦はいつ行われますか?

幕内力士に優勝同点者がある場合には、結びの一番終了の10分後に優勝決定戦が行われます。この決定戦は昭和22年(1947)夏場所からです。

三賞は誰がいつ決めますか?

三賞選考委員会で決めます。構成委員は審判委員(3人)、維持員(溜り会員)と東西会から若干名、ベテランの相撲記者クラブの会友や会員の代表等です。千秋楽の午後1時に委員会を開きます。意見が分れるときは、挙手の過半数で決めます。該当者のいない場合もあるし、 1つの賞に2名の場合もあります。

「三賞」制度はいつ始まりましたか?

昭和22年(1944)11月から始まりました。大相撲の復興と発展を期待して特別賞を制定しました。さらに、賞は力士の励みにもなります。この三賞の対象は横綱と大関を除く幕内力士だけです。どの賞も勝ち越しが条件です。すなわち、関脇以下の勝ち力士だけが三賞の対象です。受賞者には賞状、 トロフイー、賞金が授与されます。明確な基準はありませんが、ある程度の目安はあります。

  • 殊勲賞:主に横綱や大関を倒した力士に贈られます。
  • 闘賞:敢闘精神を発揮し、 日覚ましい活躍をした力士に贈られます。10勝が目安です。
  • 技能賞:最も優秀な技能を発揮した力士に贈られます。

この三賞制度は協会とマスコミ関係者の話し合いの中から生まれたものだと言われています。その当時、相撲人気が低迷していたので、それを打開する一つの案として三賞制度が提唱されました。

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